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障害年金の子の加算とは?対象年齢・金額・20歳までの延長を解説

はる社会保険労務士事務所の特定社会保険労務士の宮岡です。
日頃から障害年金のご相談・申請支援に携わっています。

「障害年金を受給する場合、子どもがいると年金額は増えるのでしょうか」

「子どもに障害がある場合、18歳を過ぎても加算は続きますか」

障害年金には、一定の条件を満たすお子様がいる場合に、年金額が増える「子の加算」という制度があります。

ただし、すべての障害年金に加算されるわけではなく、お子様の年齢や生計維持関係などによって、対象となるかどうかが異なります。

お子様に一定の障害がある場合には、通常の対象年齢を過ぎても、20歳未満まで加算を受けられることがあります。

この記事では、令和8年度(2026年度)の加算額、対象となるお子様の条件、20歳未満までの加算や必要な手続きなどについて解説します。2028年4月からの制度改正についても、現在の制度と分けてご案内します。

障害年金の子の加算とは?

子の加算とは、障害基礎年金1級または2級の受給権者に、生計を維持している対象年齢のお子様がいる場合、年金額に一定額が上乗せされる制度です。

例えば、障害基礎年金2級に認定され、加算の対象となるお子様が2人いる場合には、障害基礎年金の本体部分に加えて、2人分の子の加算を受け取ることができます。

現在の制度では、子の加算が付くのは障害基礎年金1級・2級です。

障害厚生年金1級・2級の場合には、通常、障害基礎年金も併せて受給するため、その障害基礎年金に子の加算が付く仕組みとなっています。

一方、障害厚生年金3級のみを受給する場合には、子の加算はありません。

なお、障害厚生年金1級・2級には、一定の条件を満たす配偶者に対する「配偶者の加給年金額」という別の制度があります。

参考:日本年金機構「障害基礎年金の受給要件・請求時期・年金額」

子の加算の対象となる子の条件

子の加算は、原則として、年金を受給する方に生計を維持されている未婚のお子様で、次のいずれかに該当する場合に対象となります。

  • 18歳に達する日以後の最初の3月31日までの子
  • 20歳未満で、国民年金の障害等級1級または2級に該当する障害状態にある子

18歳到達年度末までのお子様については、お子様ご自身に障害があることは要件ではありません。 その年齢を過ぎて20歳未満まで加算の対象となるためには、一定の障害状態に該当する必要があります。

原則として18歳到達年度末までが対象です

子の加算は、原則として18歳に達する日以後の最初の3月31日までが対象です。そのため、18歳になった時点ですぐに加算が終了するわけではありません。

大学や専門学校などに進学した場合でも、進学していることを理由に加算期間が延長されるものではありません。

なお、法律上、年齢は誕生日の前日に達するため、4月1日生まれのお子様は、誕生日の前日の3月31日に18歳に達します。そのため、原則として、その3月31日までが加算の対象となります。

生計維持関係も確認します

子の加算を受けるためには、年金を受給する方がお子様の生計を維持していることが必要です。

生計維持関係は、原則として「生計を同じくしていること」と「収入要件を満たしていること」の両方から判断されます。

同居している場合だけでなく、就学や療養などの事情で別居していても、生活費の援助などによって生計同一関係が認められることがあります。

収入要件については、原則として、お子様の前年の収入が850万円未満、または所得が655万5,000円未満であることが条件となります。

ここでいう収入要件は、加算の対象となるお子様について確認するものであり、親御様や世帯全体の収入が850万円未満でなければならないという意味ではありません。

参考:日本年金機構「生計維持」

子の加算は、いくら受け取れる?

令和8年度(2026年4月分から)の子の加算額は、次のとおりです。

加算対象となる子加算額(年額)
2人まで1人につき243,800円
3人目以降1人につき81,300円

例えば、対象となるお子様が2人の場合には年間487,600円、3人の場合には年間568,900円が障害基礎年金に加算されます。子の加算額自体は、障害基礎年金が1級の場合も2級の場合も同じです。

この金額は出生順位によって固定されるものではなく、その時点で加算の対象となっているお子様の人数によって計算されます。

例えば、加算対象となる子が3人から2人に減った場合には、残った2人について、それぞれ年額243,800円として計算されます。

上記は令和8年度の金額です。年金額は年度によって改定されるため、今後の金額については、その年度の公表内容を確認する必要があります。

障害基礎年金の本体部分の金額については、関連記事「障害基礎年金の年金額」でもご案内しています。

参考:日本年金機構「障害基礎年金の受給要件・請求時期・年金額」

子に障害がある場合は、20歳未満まで対象になることがあります

子の加算は、通常は18歳到達年度の末日までですが、お子様が一定の障害状態にある場合には、20歳未満まで対象となることがあります。

この取扱いには、主に次の2つの場合があります。

  • すでに加算対象となっているお子様について、18歳到達年度末を過ぎても加算を継続する場合
  • 18歳到達年度末を過ぎていったん加算が終了した後、新たに所定の障害状態となり、再び加算の対象となる場合

いずれの場合も、国民年金法に定める障害等級1級または2級に該当する程度の障害状態であることが必要です。

障害者手帳の等級だけでは決まりません

例えば、お子様が精神障害者保健福祉手帳や療育手帳を持っている場合でも、その等級だけで子の加算を延長できると決まるわけではありません。

障害者手帳と障害年金では、障害状態の認定方法や等級の考え方が異なります。そのため、子の加算についても、障害年金制度上の基準に照らして確認する必要があります。

詳しくは関連記事「障害者手帳と障害年金の違い」もご参照ください。

加算の継続と、新たな加算開始では手続きが異なります

すでに加算対象となっているお子様が、18歳到達年度末までに障害等級1級または2級に該当する状態となった場合には、20歳未満まで加算を継続できることがあります。

この場合には、原則として「加算額・加給年金額対象者の障害該当届」と、医師が作成した所定の診断書を提出します。

一方、18歳到達年度末を過ぎてから新たに障害状態となった場合にも、20歳未満であれば、子の加算の対象となることがあります。

例えば、いったん加算が終了したお子様が、19歳になってから障害等級1級または2級に該当する状態となった場合です。この場合には、原則として「障害給付加算額・加給年金額加算開始事由該当届」を使用します。

このように、加算を継続する場合と、いったん終了した後に新たに加算を受ける場合とでは、必要な届出や診断書で確認する時点が異なります。主治医の先生に診断書を依頼する前に、必要な様式や対象となる時期を年金事務所等で確認しておくとよいでしょう。

なお、お子様が20歳になると、親御様の障害年金に付く子の加算は対象外となります。

子の加算は親御様が受け取る障害年金に上乗せされるものであり、20歳になった際に、お子様ご自身の障害年金へ自動的に切り替わるわけではありません。

お子様ご自身の障害年金については、初診日や障害状態などの条件を確認し、別に請求を検討する必要があります。その際には、関連記事「20歳前傷病の障害年金」もご参考にしてください。

参考:日本年金機構「障害基礎年金を受けている方の子が障害の状態になったとき」

参考:日本年金機構「疑義照会回答(年金給付)」(18ページ・18歳到達年度末以降の障害状態と子の加算)

子が生まれたときや、加算が終了するとき

これから初めて障害年金を請求する方は、年金請求書に加算対象となるお子様について記入し、子の加算もあわせて手続きを行います。

必要な添付書類は、お子様との関係や生計維持関係、マイナンバーの記入状況などによって異なります。

また、障害年金の受給権が発生した後も、お子様の状況によって加算が始まったり、終了したりする場合があります。

受給権が発生した後に子が生まれた場合

障害年金の受給権が発生した時点では子がいなかった場合でも、その後にお子様が生まれ、生計維持関係などの要件を満たすと、子の加算の対象になります。

この場合には、所定の「障害給付加算額・加給年金額加算開始事由該当届」を提出します。要件を満たした場合には、原則として、加算の対象となる事実が生じた月の翌月分から年金額が改定されます。

また、障害認定日にさかのぼって障害年金を請求する場合には、障害認定日当時に加算対象となるお子様がいたかどうか、その後にお子様が生まれたかどうかを分けて確認する必要があります。

子の加算が終了する場合

子の加算は、次のような場合に終了することがあります。

  • 18歳到達年度末を過ぎ、障害状態による延長の要件に該当しない場合
  • 障害状態によって延長されていたお子様が20歳になった場合
  • お子様が結婚した場合(内縁関係を含む)
  • 年金を受給する方との生計維持関係がなくなった場合
  • 18歳到達年度末を過ぎたお子様が、障害等級1級・2級に該当しない状態になった場合

年齢到達によって加算が終了する場合には、原則として届出は不要です。一方、結婚や生計維持関係の消滅など、別の事情によって加算の対象でなくなった場合には、所定の届出が必要になります。

届出を行わずに加算が継続されていると、後から受け取り過ぎた年金の返還を求められる場合があります。

参考:日本年金機構「障害年金を受けている方が、生計維持関係にある配偶者または子を有することになったとき」

参考:日本年金機構「障害基礎年金を受けている方の子が結婚したときなど」

児童扶養手当との関係と、2028年の制度改正

児童扶養手当を受給している場合

障害年金の子の加算と、児童扶養手当は別の制度ですが、ひとり親家庭などで両方の支給要件を満たす場合には、支給額の調整が生じることがあります。

障害基礎年金等と障害厚生年金3級のみの場合では、児童扶養手当と比較する金額が異なります。

受給している年金児童扶養手当と比較する金額
障害基礎年金等子の加算部分の金額
障害厚生年金3級のみ障害厚生年金の全額

障害基礎年金等の場合、児童扶養手当の支給対象額が子の加算部分を上回るときには、その差額を児童扶養手当として受け取れることがあります。

一方、障害厚生年金3級のみの場合には、子の加算部分ではなく、障害厚生年金の全額が比較対象です。

例えば、児童扶養手当の支給対象額が月額4万円であると仮定すると、次のようになります。

児童扶養手当の支給対象額を月4万円とした場合(仮の例)

障害基礎年金等を受給する場合

子の加算部分が月2万円なら、4万円 − 2万円 = 月2万円を児童扶養手当として受け取れる場合があります。

障害厚生年金3級のみを受給する場合

障害厚生年金が月5万円なら、年金額の方が大きいため、原則として児童扶養手当は支給されません。

※いずれも仕組みを説明するための仮の例です。実際の児童扶養手当額は、所得やお子様の人数等によって異なります。

児童扶養手当には所得制限があり、障害基礎年金等を受給している方については、非課税の障害年金なども所得判定に含まれます。 そのため、必ず差額が支給されるわけではありません。

児童扶養手当を受給している方は、障害年金の受給が決まったときに、速やかにお住まいの市区町村の担当窓口へ知らせ、必要な手続きを行ってください。

過去にさかのぼって障害年金が支給された場合には、すでに受給した児童扶養手当について返還が必要になることがあります。

参考:こども家庭庁「児童扶養手当について」

2028年4月から子の加算制度が変わります

2025年に成立した年金制度改正法により、2028年4月から子の加算制度が見直されます。年金を受給しながら子どもを養育する方への支援を強化するための改正です。

主な変更点は、子の加算額の引上げ、3人目以降も含めた加算額の一律化、加算対象となる年金の範囲の拡大です。

現在は、加算対象となる子が2人までの場合と3人目以降の場合で金額が異なりますが、改正後は、3人目以降も含めて子1人につき同じ金額となります。現在すでに子の加算を受けている方も、引上げの対象となります。

また、障害厚生年金1級・2級にも子の加算が設けられます。ただし、通常併せて受給する障害基礎年金と、二重に加算されるわけではありません。

障害厚生年金3級は、改正後も子の加算の対象外です。

なお、改正後には子の国内居住に関する要件も設けられますが、留学等を考慮した例外や経過措置も設けられています。

この記事では、2026年11月現在の制度を基本として説明しています。2028年4月以降の具体的な加算額や手続きについては、施行時点の公表内容を確認する必要があります。

参考:厚生労働省「年金制度改正法が成立しました」

参考:厚生労働省「年金制度改正の概要・こどもがいる場合の加算の見直し」(40ページ)

まとめ

障害年金の子の加算は、現在の制度では、障害基礎年金1級・2級の受給権者に、生計を維持している対象年齢のお子様がいる場合に設けられている制度です。

原則として18歳到達年度末までのお子様が対象となり、一定の障害状態にある場合には20歳未満まで加算を受けられることがあります。また、受給権発生後にお子様が生まれた場合などにも、加算の対象となることがあります。

加算額はお子様の人数や状況によって変わり、2028年4月には子の加算額の引上げなどが予定されています。

少しでもご参考にしていただけましたら幸いです。


障害年金の請求を検討されている方で、子の加算を含めた受給条件や必要書類の確認などにお悩みの場合は、お気軽にご相談ください。

ご相談から申請までの流れや費用については、「障害年金のご相談・ご依頼の流れと料金について」でもご案内しています。

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