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病歴・就労状況等申立書とは?書き方・作成のポイント

はる社会保険労務士事務所の特定社会保険労務士の宮岡です。
日頃から障害年金のご相談・申請支援に携わっています。

「申立書には、どのくらい詳しく書けばよいのでしょうか」

「病歴が長くて、何を書けばよいのか分かりません」

障害年金の手続きを進める中で、「病歴・就労状況等申立書」をどのように作成すればよいのか迷われる方は少なくありません。

病歴・就労状況等申立書では、障害の原因となった病気やけがについて、発病から現在までの経過や、その間の日常生活・就労の状況などを説明します。

ただし、これまでの出来事をできるだけ多く書けばよいというものではありません。

一方で、病気や障害によって実際にどのようなことに困っていたのかが十分に伝わらなければ、申立書から実際のご状況が分かりにくくなってしまいます。

この記事では、病歴・就労状況等申立書の役割や書き方、診断書や受診状況等証明書など、他の提出書類とあわせて確認しておきたいポイントについて解説します。

目次

病歴・就労状況等申立書はどのような書類?

障害年金の請求では、診断書に加えて「病歴・就労状況等申立書」で、これまでの病歴や生活・就労の状況を説明します。

診断書は、医師が医学的な立場から病状や障害状態を記載する書類です。

一方、申立書では、いつ頃からどのような症状があり、どの医療機関を受診し、その間の日常生活や仕事にどのような支障が生じていたのかを、ご本人様の立場から説明します。

診断書だけでは十分に伝わりにくい生活上・就労上のご状況を、申立書で具体的に補足していくことになります。

参考:日本年金機構「病歴・就労状況等申立書を提出するとき」

https://www.nenkin.go.jp/shinsei/jukyu/shougai/shindansho/20140516.html

詳しく書くことと、長く書くことは同じではありません

病歴が長い場合には、これまで経験してきた出来事も多くなります。

しかし、病歴・就労状況等申立書は、これまでの出来事をすべて詳しく書き連ねるための書類ではありません。

大切なのは、障害年金の請求に関係する病歴や治療経過と、病気や障害によって生活・仕事に生じた支障を伝えることです。

たとえば、職場や家庭で大きな出来事があった場合も、その出来事自体を詳しく説明することが目的ではありません。

その後に症状が悪化した、医療機関を受診するようになった、欠勤が増えた、休職したなど、病気や障害との関係を整理することで、必要な経過が伝わりやすくなります。

反対に、簡潔にしようとして、医療機関名や治療内容だけを並べても、実際のお困りごとは十分に伝わりません。

情報量の多さではなく、請求に必要な経過やご状況が読み手に伝わることを意識してまとめていきます。

まずは受診歴を時系列に整理します

申立書を書き始める前に、発病から現在までの受診歴を整理します。

初めて受診した医療機関、その後の転院や入院、受診していなかった期間などを、時系列で確認していきます。

実務上は、受診状況等証明書や診断書など、確認できる医療関係の書類がそろっている場合には、その内容も見ながら整理することで、記憶だけに頼らず受診経過を確認しやすくなります。

受診していた期間は、原則として医療機関ごとに分けて整理します。

1つの期間が5年を超える場合には、その期間を3~5年ごとに区切って記載します。

受診していない期間も省略しません

通院が途切れている期間があっても、その期間を省略するわけではありません。

受診していなかった理由や、その間の症状、日常生活・就労の状況を記載します。

年月が曖昧な場合には、診察券やお薬手帳、医療機関の資料なども確認しながら整理していきます。

初診日の考え方や確認方法については、「障害年金の初診日はいつ?確認するときのポイント」もご参照ください。

参考:日本年金機構「病歴・就労状況等申立書の提出にあたって」

https://www.nenkin.go.jp/shinsei/jukyu/shougai/shindansho/20140516.files/05.pdf

申立書には何を書く?

受診歴を整理したうえで、それぞれの時期について、病状だけではなく、日常生活や就労への影響も記載していきます。

症状だけでなく、生活上の困りごとも伝えます

「うつ状態だった」「痛みがあった」「体調が悪かった」といった症状だけでは、実際の生活への影響までは十分に伝わらないことがあります。

食事の準備ができずご家族に任せていた、入浴や着替えが十分にできなかった、一人で外出することが難しかった、家事や身の回りのことに援助が必要だったなど、その時期の病状を理解するうえで必要なご状況を具体的に説明します。

「何に困っていたのか」「どのような援助を必要としていたのか」まで分かるようにすることが重要です。

ただし、お困りごとを思いつくまますべて列挙する必要はありません。その時期の障害状態を伝えるうえで重要なことを中心に整理します。

働いていた期間は、就労の実態も伝えます

就労していた期間についても、「会社員として勤務」「パート勤務」と記載するだけでは、病気や障害が仕事にどのような影響を与えていたのかまでは分かりません。

欠勤や遅刻・早退が増えていた、業務を軽減してもらっていた、周囲から援助を受けていた、休職していたといった事情があれば、その時期の実態を説明します。

また、会社に在籍していた期間と、実際に勤務できていた期間が同じとは限りません。

客観的な就労状況を正確に確認したうえで、病気や障害によってどのような支障や配慮があったのかを具体的に整理します。

就労と障害年金の関係については、「働いていても障害年金はもらえる?仕事・収入・就労状況と審査のポイント」で詳しく解説しています。

時期ごとの状態を混同しないようにします

障害年金では、現在の状態だけではなく、障害認定日頃の状態を確認する場合があります。

そのため、過去の期間について記載するときに、現在の状態をそのまま当てはめないようにします。

現在は無職でご家族から多くの援助を受けていても、障害認定日頃には仕事をしていたという場合があります。反対に、現在はある程度働けていても、障害認定日頃には休職していたということもあります。

それぞれの時期について、その当時の病状・生活・就労状況を整理することが必要です。

年月日や勤務期間などの客観的な事実は、記憶だけに頼らず、診断書や受診状況等証明書、勤務先の資料なども確認しながら整理します。

裏面の書き方も請求方法によって異なります

病歴・就労状況等申立書の裏面には、「障害認定日頃の状況」と「現在(請求日頃)の状況」について、就労状況や日常生活の状況を記載する欄があります。

日本年金機構の案内では、障害認定日による請求を希望する場合には「障害認定日頃の状況」、事後重症による請求を希望する場合には「現在(請求日頃)の状況」を記載するよう案内されています。

また、障害認定日による請求を希望する場合で、障害認定日と請求日が1年以上離れている場合には、「障害認定日頃」と「現在(請求日頃)」の両方を記入するとされています。

このように、請求方法によって、特に丁寧に整理しておきたい時期も変わってきます。

障害認定日による請求では、その当時の病状や生活・就労状況を現在の状態と混同しないようにします。一方、事後重症による請求では、現在のお困りごとや援助の状況が、長い病歴の中に埋もれてしまわないように整理します。

いずれの請求であっても、表面では発病から現在までの経過を通して整理します。認定日頃と現在の両方を確認する場合には、それぞれの時期の状態が分かるように分けて整理しておくと、申立書全体の経過も分かりやすくなります。

認定日請求や遡及請求については、「障害年金は過去にさかのぼって受給できる?遡及請求の仕組み」もご参照ください。

参考:日本年金機構「病歴・就労状況等申立書の提出にあたって」(裏面の記載方法)

https://www.nenkin.go.jp/shinsei/jukyu/shougai/shindansho/20140516.files/05.pdf#page=2

診断書や受診状況等証明書とあわせて確認しましょう

病歴・就労状況等申立書は、申立書だけを見ながら完成させるのではなく、受診状況等証明書や診断書とあわせて確認することが望まれます。

初診日、受診期間、転院・入院の時期、休職・退職の時期などについて、書類ごとに不自然な食い違いがないか確認します。

同じ時期について記載内容が異なる場合には、どちらかへ単純に合わせるのではなく、まず実際の経過を確認します。

診断書等の誤りに気づくこともあります

申立書と他の書類を照らし合わせていると、申立書だけでなく、診断書や受診状況等証明書に記載された客観的な事実の誤りや記載漏れに気づくことがあります。

たとえば、転院時期が実際と異なる、休職期間が通常勤務として記載されている、過去の受診歴が抜けている、初診日について書類間で相違がある、といった場合です。

そのような場合、診断書に記載されている内容に、申立書をそのまま合わせればよいというものではありません。

まず、どの情報が正しいのかを、実際の経過や確認できる資料から整理します。

診断書や受診状況等証明書に客観的な事実の誤りがある場合には、ご本人様で書き換えるのではなく、医療機関へ確認することになります。

診断書全般については、「障害年金の診断書とは?種類や注意点を解説」もご参照ください。

診断書と同じ文章にする必要はありません

書類同士の整合性を確認することと、文章を同じにすることは別です。

診断書には、医師から見た病状や医学的な評価が記載されます。

一方、申立書では、診察室だけでは把握しにくい、日常生活や就労上の具体的なご状況を補足できます。

ご家族が実際には家事や金銭管理を行っていたこと、勤務していても帰宅後は横になって過ごしていたことなど、診断書だけでは十分に伝わらない事情もあります。

同じ客観的な事実について不自然な食い違いがないことを確認しながら、それぞれの書類の役割に応じた内容を記載するという考え方が重要です。

参考:日本年金機構「かけはし 第52号」(2ページ・病歴・就労状況等申立書の点検)

https://www.nenkin.go.jp/service/riyoushabetsu/cooperator/kakehashi/20180903.files/20180903.pdf#page=2

完成した申立書は、全体を通して確認しましょう

申立書がまとまったら、期間ごとに確認するだけではなく、発病から現在までを一度通して読み返します。

受診歴に抜けている期間がないか、転院や入院、休職・退職の時期が自然につながっているかなどを確認します。

情報を詰め込みすぎていないか

長い文章を書いた結果、本当に伝えたい病歴や生活上の支障が埋もれてしまっていないか確認します。

同じ症状が続いていた場合も含め、その期間の生活・就労状況が分かるようにまとめ、同じ出来事の説明を必要以上に繰り返していないかを見直します。

申立書は、情報量が多いほど評価される書類ではありません。

反対に、お困りごとが抜けていないか

簡潔にまとめることを意識しすぎて、「通院を継続した」「薬物療法を受けた」「退職した」という事実だけになっていないかも確認します。

なぜ退職に至ったのか、療養中にどのような生活を送っていたのか、誰からどのような援助を受けていたのかなど、障害状態を理解するために必要なご状況が抜けていないかを見直します。

申立書は、長ければよい書類でも、短ければよい書類でもありません。

今回の障害年金請求に必要な経過とご状況が、読み手に無理なく伝わる内容になっているかという視点で確認します。

まとめ

病歴・就労状況等申立書では、発病から現在までの病歴や治療経過に加えて、病気や障害によって日常生活や仕事にどのような支障が生じてきたのかを説明します。

これまでの出来事をすべて書くのではなく、障害年金の請求に必要な情報を選びながら、実際のお困りごとは具体的に伝えることが大切です。

また、請求方法によって特に確認しておきたい時期が異なることを踏まえ、障害認定日頃と現在の状態を混同しないよう整理します。

受診状況等証明書や診断書とあわせて確認することで、提出書類同士の整合性を確認できるだけでなく、他の書類の事実関係の誤りや記載漏れに気づくこともあります。

それぞれの書類の役割を踏まえながら、提出書類全体として病歴やご状況が自然につながっているか確認していきましょう。


少しでもご参考にしていただけましたら幸いです。

病歴・就労状況等申立書について、どのような内容を書けばよいのか、診断書や受診状況等証明書との関係をどのように整理すればよいのかなど、疑問がございましたらお気軽にご相談ください。

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